第7章 魔性
「私が出ます」
「あ、はい。よろしくお願いします」
兵はこれ幸いと私に電話を押し付けた。今日の一見から上官のような扱いをされているものの私も一般兵であるには違いない、ケフカ様相手でなければ軍法会議物だろう。
「……こんばんは、通信良好でしょうか?」
「通信良好、こちらシド。……その声は024かな?
やあ、元気にしてたかい?こちらの新魔法開発の進捗とそちらの敵情視察についての連絡なのだが……、ケフカは眠っているのかな」
「少し前におやすみになられました」
シドさんは明らかに声の調子を明るくし、そうかそうか!と応えた。ケフカ様の話を聞いた後ではじんわりと不愉快な心地になるものの、実際にケフカ様が嫌われているのにも理由はある。
「ふむ、では君とちょっとした噂話をする時間がある訳だね。どうかな東の大陸は?私が耳に挟んだ所によると敵情視察というより幻獣探しの任務のようだがね」
「えっ?」
「おや、知らないのか……お気に入りならと思っていたのだが。東の大陸には魔導の縁が深い土地があったらしくてね、その者達は幻獣に仕えて居たんだ。もし過去の遺産があるならそこの土地だろう」