第7章 魔性
「……、」
「やはり何かされてたか?心当たりがありそうだな。
アレは失敗作の俺には興味がない、だが024……お前は今一番アイツのやりたかったものに近い」
ケフカ様が嘲笑を浮かべてコチラを見た。知らなければこんな恐怖も無かったのに、いや、知らなければ……何かをされていたのだろうか。湯にぬれた手が頬を包んだ。
「お前は私の人形でしょ?大丈夫、大丈夫。流石のあの馬鹿も手を出しては来ない……、皇帝が唆されなければ」
「大丈夫、でしょうか……本当に」
ぬれた手に手を重ねる。ケフカ様の苦しみの由来、そして、それに成されてしまうかもしれないなんて。嫌だ。思い通りにされたくない、こわい。
「おやおやぁ、私が信じられませんかァ!?僕ちんに歯向かうヤツがどうなるかぁ……、分かるでしょ?」
おどけた様子で覗き込むケフカ様に苦笑いを返す、その“歯向かうヤツ”に私も含まれているのだろうな……。身に染みて知っている。それでも私は、
「信じてますね」
「お、っと……サァ?どうなるかな」
ケフカ様の頭を抱きしめる。どうなるかな、か。ある意味それは本心だろう、私がどうするか、ケフカ様がどうするか。
それはまだ、未来のことだ。