第7章 魔性
「そうだ、なら俺の世話をしに残れ」
「えっ!?」
「いつも身支度してやってるんだ、たまには僕ちんにそれを返したって良いだろ」
珍しく、食い下がる。もしやこれは駄々をこねられているのだろうか……?とはいえ思い出す限りでもおよそ自分ではしたくもなくなるような丁寧な支度をされた記憶しかない、私にそれをやれと……。できるだろうか……。
「嫌なのか?」
「あ、いえ……自信がなくて」
「自信!ハハハ」
ケフカ様が大口を開けて笑った。本当にゴキゲンだ、やはり腐っても魔導研究者である。自分の立場を離れ自由になった途端この調子だ。
「どうせこの外じゃ大した事は出来ないのだから変わらん、やるんだ」
「……はい」
ケフカ様が装飾を外し、ベタベタのそれにウンザリした顔をしてコチラに突き出した。覚えたてのアクアブレスを玉のようにし手の平に作り出す。
「オヤ、便利ですね」
「ウォータよりは綺麗になりそうですね」
シャボン玉のように浮かせた1つ1つに髪飾りやイヤリングを収めていく。せっせと支度する間に気がつけば本人は全裸になっており慌てて目をそらす。……終わるまで洗濯に集中してよう。
「これは楽ですね、毎回お前に頼むべきか」
「はは……、」