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魔導人形

第7章 魔性


ハッと見上げると輝く空があった、目を閉じて光を感じる。千々になった魔力を引き寄せようと意識を集中させた。辺りで見物してた兵がどよめき、ケフカ様が息を飲んだのが分かる。
まだだ、今集中を途切れさせたら駄目だ。ちゃんと扱えるか分からない、一気に治さないと……。

「……素晴らしい、力ですね」

「…………、……よかった、できた……」

目を開けるとケフカ様のひしゃげていた腕はスッカリ元の状態を取り戻していた。確かめるように腕を曲げ伸ばしした後、考え込む。
兵たちが驚きに詰め寄せ周りでザワザワしている。やはり魔法を使える人間は少ないので奇跡、に見えるのだろうか?

「お前、今までこれ使えませんでしたよね?」

「……今、必死に考えたらやれる気がして」

「おかしな話だ……、こんな魔法は見た事がない。モンスターでもない024が自力で技を……?」

ケフカ様はブツブツと思考に耽り出してしまった。ピクリとも動かずその場に座り込んでしまったので、周りの手持ち無沙汰な兵に声をかけ野営の支度を始める。

「なあ、アンタすごいな……海上では何もしてなかったからただの召使いなのかと思ってたよ。魔導兵士だったんだな。
あんなのセリス様でもケフカ様でも出来ないぜ」

「あ、あはは……。ただの実験体です、けどね」

「実験体!?ケフカ様の……??へ、へえ……」



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