第7章 魔性
「024!たくさん連れてきたじょーッ!ヘッヘ!」
「ひー!何してるんですか!?」
ゴキゲンが突き抜けた時が一番話が通じない!土をうねらせ蛇のような体が地を駆けるのが見える、しかも一体じゃない!兵たちも悲鳴をあげ、我先にと逃げ出した。グワリ、勢いよく地中から飛び出したそれはおよそ顔があるべき場所になく、全て口で出来ているように見えた。
その口が、ケフカ様をバクリと飲み込む。
「あ……っ、え…?」
呆然とする私の前に別の巨大な芋虫のようなものが立ち塞がる。ケフカ様がしんでしまう!力を使わないと……!早く!
鳩尾を意識すると虹色が脳裏を過ぎり、感覚が研ぎ澄まされていく。魔法によりアクアブレスを構築する、水と風を紡ぎ合わせ糸を編むようにして魔法が織りなされる。
それは足元から津波のように土塊を引き剥がしモンスター達を地中から追い出して飲み込んでいく。
まだだ、倒さなければ!もしこの中の一匹にでも逃げられたら、それがケフカ様を食ったヤツだとしたら───!
「ァァァ……!」
ザワザワと腕が粟立ち、ビキリと痛みが走ると共に腕に鱗のように薄く細かな虹の結晶が突き出していく。