第7章 魔性
───アクアブレス、そうか。あの技はアクアブレスと言うんだ。もはや時が止まったような感覚でアクアブレスに触れると慣れ親しんだブリザドを紡ぐ。水が氷柱へと変わりモンスターの喉まで凍らせる、それをただ押し込んだ。
モンスターの断末魔と共に時が流れ出し、鳩尾に鈍痛が走る。その場に崩れ落ちた、痛い。
「ホッホ!スバラシイ!!どうです、何か分かりましたか?」
「……アクアブレス、が分かった気がします」
「そうですか!そうですか!!」
ケフカ様の腕が私の肩を抱き、歓喜の声音が染みる。そんなに喜ばれるとは思わず驚きに身を固くした。それを歯牙にもかけず、ケフカ様が私を抱き上げるように起き上がらせる。気がつけば鳩尾の痛みは消えていた。
「やはりお前は期待した通りの才があるようだ!どれだけラーニングできるか一通りやるじょー!」
「ひ、一通り?」
「エェ!次はぼくちんが獣ヶ原の魔物にちょっかいをかけて引っ張ってきてあげましょう!」
何を言い出すかと思えば身一つでケフカ様が駆け出した。唖然としていると四方八方にデタラメに魔法を撃ち出し始めた。
「ばきゅーん!ホラホラ!」
住処を荒らされたモンスターたちがワラワラと溢れ出す。