第7章 魔性
■side:024■
「すごい、見渡す限りの草原……」
「ムフ……良いですねえ、やりたい放題だ」
ケフカ様がいやに上機嫌にそう言った。兵は3つのチームに別れさせられ、大陸の探索は他2チームが担当しているらしい。
私が今連れられているチームは完全に皇帝の命令とは関係ない活動をしている事になる。
「024、お前は魔力が見えると言ったね?これは?」
ケフカ様の中心に宿る魔力がゆるくうねり、鎌首をもたげるように片腕に集まるのが分かる。鳩尾から腕へ魔力の流れを指でなぞると、片眉をあげ興味深そうに眺められた。
「……なるほど、通常それは自分でしか分からない力の流れ……俺で言うなればモンクのそれ、操気の術です。
魔導には細かく系統がある、お前のその能力の使い方は全く知見がない。ですから、なんであるか魔法にしてしまおうという訳だ。形から知れば自ずと見えてくる」
まるで魔導の講義だ、ケフカ様は腕に宿らせた気を高めながら何でもないように話を続ける。
ケフカ様が言うにはセリス様は魔導力を出し入れする綿密なコントロール、魔法剣士。ティナはコントロールが荒く、ケフカ様ほど内側からの“練り”も弱いらしい。しかしその練りと操作のない力もまた、そういう使い方があるのだそうだ。