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魔導人形

第6章 偏執


伝承の魔導士の中に幻獣へと至る前段階の老齢の戦士が青魔導士になるという記述がある。これはヒトの境を失い、魔物の技をも魔力により操るという事。
024は死の縁に立った時にこの"ヒトの境"を壊してしまった可能性がある、人間としての機能では息をしていない。そして、だとすれば俺もまた───……。

「……───とかく、魔法です。ヒッヒ!それなりに死ぬかもしれないぞ」

「楽しそう、ですね」

024が苦笑いをもらした、ああ、そうだ。新しい力が手に入る。楽しみでない訳がない、その為に生きているのだ。
……いつかの皇帝がティナの魔法を跳ね返したあの技、リフレク。あれは正統な魔法のみ通さない。純正ではなく複雑で魔性の技であれば、あんなもの取るに足らん。
いつでも俺様がこの世で一番強い魔導士でなくてはならない、それが俺なのだから。

「この国、いやこの世でお前にしか出来ない仕事です。期待してますよぉ」

それを聞き、024が表情を変える。それでいい。俺と同じくお前もまた、そうでなくてはならない。
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