第4章 お試し期間
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(理沙と話したことが、まだぐるぐるとしている、、)
今日も部活が終わって、夕方仲良く手を繋いで歩く
「ねぇねぇちゃん」
「んー?なにー??」
いつものように私を呼びかける徹くん
「知ってる?
今日、何の日か」
「え、、あ、うん、」
(まさか、徹くんからそんな言葉が出るなんて驚いた)
昨日の夜も今日の朝も、そういえば今日この関係が始まって1ヶ月だな〜って思ってた
「ほんとに??」
少し驚いたようにこちらを見ている徹くん
「うん、私たちの関係が始まって、1ヶ月、だよね、?」
合ってるかわからなくなり、恐る恐る聞いてみると、徹くんの顔がパァっと明るくなって、とても嬉しそうに笑う
「そうそう!
まさか、ちゃんが覚えててくれてるなんて思わなくて、おいかーさんとっても嬉しいっ」
「いや、、仮にでも付き合ってる、、わけだし、
昨日も今日の朝も、、1ヶ月だなーって、、思ってた、、」
言ってるうちにだんだんと恥ずかしくなってきて、比例して声も小さくなっていく
私が話してる間、徹くんはうん、うん、ととても幸せそうに頷いていた
「ちゃん、俺さ、今めちゃくちゃ幸せっ」
「うん、、今日も顔に幸せって書いてある、」
(私は恥ずかしすぎて、、)
私の家まであと少し、恥ずかしさのあまり走って逃げたい気持ちを抑え、歩く
「ちゃん、今日も、しよ?」
ここ最近の、ハグの合図である言葉が今日も彼の口から出て、隣を見ると繋がれてない方の手を広げている
軽く首を傾げ、優しく微笑む姿に、いつも小さくキュン、と鳴る
私は周りを見て、誰もいないことを確認すると、徹くんの胸へと寄り添う
「、うん、」
徹くんは私に腕を回し、私も彼の背中に腕を回して、目を閉じた
トクン、トクンとリズムよく徹くんの心臓の音が聞こえる
(なんだか、、落ち着くなぁ、、)
徹くんの甘い匂いが鼻に届いて、さらに安心感が広がっていった