第4章 お試し期間
side
キーンコーンカーンコーン、
「はい、終わり〜後ろから集めてー」
相変わらずゆるい担任の声で、後ろから回答用紙を集め始めた
「お、おわったぁぁあー」
と前の方で理沙が嬉しそうにしているのを、後ろから葉月と笑ってみる
「やっとテスト終わったねっ!」
「やっとだよ〜」
「「なつやすみ〜!!」」
葉月とテストが終わったことを喜んでいると、終業式のため体育館に集まるように放送がかかった
「、葉月いこ〜」
「もちろん!」
「いこ〜」
理沙が通路を挟んで隣同士に座る私たちの方へとやってきて、各々体育館へと向かう
その途中で及川と数人の女の子で仲良く体育館へと向かっているのに出くわした
モヤ、
「あ、及川」
理沙の声に及川が私たちに気づいた
「あ、3人ともおつかれ〜」
「おつかれ〜」
「テスト疲れたねー
できたー?」
「まあまあかな」
という葉月と
「まったく」
という理沙
「ちゃんは?」
及川はいつもの爽やかスマイルで私に聞く
「あー、うん、、いつも通りかな?」
一瞬だけ目を合わして、すぐ逸らすわたし
「そっか〜
じゃあ大丈夫だねっ」
なんとなくモヤ、としてしまった自分に戸惑い、理沙と葉月に小さく「いこ」と言って、3人で先に体育館へと向かおうと及川たちを追い抜いた
後ろからまた及川と女の子たちの楽しそうな声が聞こえる
「及川のあれはいいの??」
「、嫌じゃないの!?」
と2人が言う
「いやー、、わかんない、、」
「私、いくらお試し期間って言ってもあんなのやだわ〜」
「私も、え、私のこと好きって言ってたよね?ってなっちゃうかも!」
2人の言葉を聞いて、ストン、と自分の中に落ちてきた
(モヤの正体はそういうことか、!)
「2人とも、ありがと
なんか私もちょっとだけもやっとしちゃったんだけど、理由がわかってスッキリしたっ!」
「ほんと?」
「そりゃあ、モヤモヤしちゃうよね〜」
(この2人の言葉、すごく助かる、、)
2人の言葉に救われて、終業式も無事終えることができた