第4章 お試し期間
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どうやって断ろうか、としばらく考えていると
「じゃあさ、」
と及川が言葉を続ける
「3ヶ月、お試しで付き合わない?」
「え、?」
「3ヶ月、俺にチャンスをちょうだい?
もしそれでもちゃんが俺のこと嫌だって言うんだったら、俺諦めるからさ」
そう言って、優しく笑った彼に思わず見惚れてしまう私
(もにろん、及川のことは嫌いじゃない、、
でも、私はまだ岩泉のことを引きずってて、、
及川のことを利用するなんて、最低なことだってわかってる
でもここまで言ってくれてる及川をさらに否定するのも、失礼になるのかな、、?)
「ん〜〜、、」とずっと考える私を、及川はずっと優しい顔で見守ってくれている
そこで私が出した答えは、
「、、わかった
3ヶ月、私は及川とちゃんと向き合う」
そう言うと、パァッと及川の顔が明るくなって、少し照れくさそうに笑った
「ちゃん、、ありがとう
俺、すっごく嬉しいよ」
「私こそ、こんなに思ってくれてありがとう、」
・・・
あのあと、日誌が書き終わって職員室まで出しに行くと、職員室を出たところで私の荷物も持った及川が立っていた
「お待たせ及川、荷物ありがと」
荷物をもらおうと手を差し出すと、及川の手が私の手に重なって、繋がれる
「え、!?」
「今日から、俺たちは彼氏と彼女だからなーんにも変じゃないよっ」
ふふ、と小さく笑って、私の手を引く及川
「い、いや、!でもここ学校、!」
「えー、じゃあ校門出たら繋いでくれる??」
「え、!?う、うん!わかった、わかったから!今は離して、!」
焦りながら何も考えずに答えると、意外とすんなり離してくれた
「やったね〜、ちゃん、手を繋ぎながら帰ってくれるんだぁ〜」
と今にもスキップしそうなほどルンルンの及川を見て気づく
(やられた、!!)
そうして、校門を出てすぐに手は繋がれ、及川に家まで送ってもらった
季節は夏本番
そして、待ちに待った夏休みがあと少しで始まろうとしている