第4章 お試し期間
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修学旅行が終わって、なんとなーく気まずかったはずなのに翌日から及川のアピールはこれまで以上になった
学校でも1日1回は必ず会いにくるし、夜は必ず電話がかかってくる
今日は私は部活がオフにも関わらず、日直のため1人でクラスで居残り
(わたしも理沙と葉月と帰りたかったな〜、、)
いつも日直の時は待ってくれているのだが、2人とも予定があるらしく先に帰ってしまった
そして、目の前にいるのはニコニコしている及川
今日バレー部もオフらしく「いわちゃん先帰ってて〜」といって、帰らしていた
2-5には私と及川くんの2人
及川くんは私の机の前の席に座り後ろ向きで椅子に座っている
「ねえ及川」
「なぁにちゃん」
「そんなに見ないでよ」
「えー、、」
悩むそぶりすら見せず、まだニコニコしながらコチラをガン見する彼
(日誌やりづらいな〜、、)
こんな態度の及川にも慣れてきて、まぁいいか、と再び日誌の続きを書き始める
「ねえねえちゃん」
「、ん?」
「俺と付き合ってよ」
「、え、、?」
聞こえた言葉に驚いて顔を上げると、両手で頬杖をしてぶりっ子ポーズで距離を近づける及川
「言ったじゃん、俺はちゃんのことが好きだって」
「いや、でもそれは、、」
ふざけてるように見えるが、目が真剣なあまりに思わずそらしてしまう
「俺はちゃんを幸せにする自信がある」
「いや、だから、、わたしは、っ!」
及川くんの綺麗な手が私の手をとって、きゅ、と包まれた
「しばらくは、、岩ちゃんのことが好きでもいい、、
でもいつかは、俺のこと好きにさせるから、、付き合おう、?」
「いや、、でも、そんな及川を利用するみたいなのは、、」
包まれた手を引こうとすると、さらにぎゅ、と力が入って
「それでも、俺はちゃんと彼氏彼女として一緒にいたい」
とまっすぐにこちらを見てくる及川
「、でも、、やっぱり、、」
(好きじゃないのに、、付き合うなんて、、)