第3章 終わりと始まり(?)
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1日目は国際通りを行ったあと、ホテルに行って大宴会場で沖縄の音楽を聴いて盛り上がったり、ホテルの真ん中にあるプールの周りでくつろいだりがメインだった
「ねえねえ」
ホテルの部屋で、理沙と葉月と話していると改まって理沙が私の名前を呼ぶ
「ん?なにー?」
「言わなくていいの?」
「え?」
「岩泉に、!」
「、ずっと悩んでたよね、?」
2人が私を見つめて、言う
「うん、、」
「こういう行事で言っちゃうって、なんだか雰囲気に任せてる感じで、逆に乗り気にならないかもしれないけど、、」
「それにあやかったっていいと思うんだよ、私たち」
「うん、、」
2人の言葉を聞いて、少しだけ楽になる心
(悩んでたの、バレてたんだ、、)
「うん、!行ってくる、!!」
当たって砕けても、私には2人がいる
岩泉が私のことを見ていないことなんて、岩泉の態度でとっくに気づいてるし、
私は、岩泉に自分の気持ちを勝手に伝えたいだけ
そう自分に言い聞かせ、ホテルのロビーに岩泉を呼び出した
・・・
「菊川、どうしたんだよ急に」
もうすでにパジャマの岩泉がやってきて、急に呼び出した私を少し驚いた表情で見る
「うん、、あのさ、」
いつもの雰囲気とは違う私に気づいたのか、不思議そうにこちらを見ている岩泉
「おー、」
「私、岩泉のこと、、ずっと好きだったんだよね」
「は?、、まじ?」
私は俯いて、頷いた
しばらく沈黙が続いて、岩泉が発した言葉は
「すまん、、俺、実は大事なやつがいるんだわ、」
また沈黙が私たちを包んで、私は全力で気持ちを落ち着けようとした
「そっか、、岩泉、彼女いるんだ、」
「おう、」
「、うん、岩泉ありがとう、、教えてくれて」
私は、ぎゅ、と手を握って溢れそうな気持ちを抑える
「おー、、じゃあ、行くわ」
「うん、また明日ね」
「おう、またな」
そう言って、岩泉はあっさりと振り返ってきた道を戻っていった
ロビーから去った彼を、見えなくなってもなお、私はその方向を見つめていた