第33章 歪んだ愛で抱かれる 後編 【三成】R18/ヤンデレ
(…三成くん…助けて…苦しい)
呼吸や鼓動の乱れは次第に強まっていく。
名無しは両手で胸を押さえた。
飢えや渇きにも似た強い性的衝動を、全然抑えきれない。
「名無し?どうしたの?」
ただならぬ様子に気づいた家康が歩み寄り、声をかけた。
「大丈夫?体調悪い?」
彼の手が背に置かれたとき、名無しはビクッとして思わずそれを振り払ってしまう。
「!!」
「ご、ごめんなさい!!」
もう一度三成を見たが、彼はやはり振り向いてはくれなくて…
次の瞬間、名無しは立ち上がって駆け出していた。
「名無し!」
家康の声に武将たちの視線が集中する中、名無しは部屋を飛び出した。
追いかけた三成が彼女を見つけたのは広間からはかなり離れた場所、中庭の隅の木立の中だった。
「名無し様、こんなところにいらっしゃったのですか」
裸足で立って木にもたれかかっていたが、三成の声に振り向くと彼に縋りついた。
「三成くんお願いっ!私を愛して!今すぐに」
切羽詰まった声で叫ぶ。
「苦しいの…強く抱いて!…むぅっ…」
名無しの声は三成の唇で塞がれた。
ぐいっと背中をかき抱かれ、強引な口づけをされる。
(ああ…)
名無しは目を閉じて身を委ねた。
やがて唇を離した三成は、名無しの耳にも口づけを落としながら低く穏やかな声で言った。
「…わかりましたから、どうかお静かに。それでいいのですよ。素直に私を求めていればいい」
「…」
「皆の前なのに欲情してしまったのですか?困った姫ですね。自由にしたって私からは決して離れられない。もう私なしでは生きられない身体になってしまったのでしょう?」
クスクスと笑いながら、片手を彼女の腰からお尻までするりと撫で下ろす。
「ん…」
名無しはそれだけでもビクビクと敏感な反応をしてしまう。
「策はまた上手くいきましたね。蘭丸さんの侵入は良いきっかけでした。膠着状態でずっと抗う貴女の心に再び種を蒔き、私を一層求めるように仕向けた」
(策…?あの綺麗な涙も…?)
名無しは愕然としたけれど、衿元に滑り込んだ彼の手で胸を弄られて、強制的に感じさせられる。