第33章 歪んだ愛で抱かれる 後編 【三成】R18/ヤンデレ
反逆者・川名泰俊を討ち取って一族を追放し謀反を未然に防いだと、三成は表向きには功績を認められていた。
そして名無しは三成に無事救い出されたものの体調が思わしくなく、
また、反逆者の妻として一部の大名たちから非難を浴びせられる恐れがあるため、誰にも見つからない場所に療養も兼ねて匿われているということなっていた。
その実は、座敷牢のように強固な部屋に監禁中。
体調を崩していたのは本当で、過労と心労から熱を出した名無しは床に伏し、唯一入室を許された侍女のかやが献身的に看病していた。
幾日か過ぎると体は回復したものの、名無しの心の整理はつかないまま。
かやは以前のように明るく誠実な態度だったが、豹変ぶりを目にした今は不信感が拭えない。
何よりも、三成に対しての気持ちがあまりに複雑すぎて、一日中彼のことを考えては葛藤し苦しみ続けていた。
(ああ…また夜がきてしまう…)
夕餉を終え、夜になると公務を終えた三成が帰ってくる。
そして激しく抱かれる…。
強い力で褥に倒されて、
「名無し様…。感じるでしょう?今こうして私に愛されていることを。心にも体にも、もっともっと私の愛を刻み込ませたい…。私なしじゃ生きられなくなるように…」
重い愛を何度も何度も囁かれる。
強制的に快楽を享受させられている間だけは、名無しは悶々とした思考から解放された。
何もかもどうでも良くなり、彼の狂愛の渦にのみ込まれてしまうと天国のように真っ白で心地よい世界に行ける。
苦悩と愉悦
堂々巡りのように、それを毎日毎日繰り返している。
穏やかな混乱がずっと続いていた。
そんな日々が過ぎていく…。