第33章 歪んだ愛で抱かれる 後編 【三成】R18/ヤンデレ
「私は満足です。もう名無し様は、私の口づけだけでこんな風になってしまうのですから」
三成が耳元で囁くと、その吐息も色気を含んだ声も性的な刺激となりジンジンと名無しの腰に響く。
「んっ…」
「ああ、本当に愛らしいです、名無し様の反応。そんなにも目を潤ませて…」
三成は両手で名無しの頬を包み、その緩んだ表情を二つの紫色の瞳でうっとりと見つめた。
「頬がすごく熱くなっていますね。それから…」
少し身をかがめ、名無しの左胸にそっと耳を寄せる。
「鼓動がとても速い」
「や…」
心臓の音を聞かれているだけなのに、敏感な胸元に彼の顔が当たって、名無しはそれだけでも感じてしまう。
名無しの心身のただならぬ状態。
それは実は三成が与えた媚薬によるもの。
目を覚ました名無しがぼんやりとしている間に飲ませた。
安土城でもお菓子に混ぜて食べさせたが、彼女の意思が強くてしばらく抗うので、さらに水に混ぜて飲ませた。
理性を奪って、恋情も性欲も増進させた状態に陥らせ、散々に抱いた。
それなのに三成は、
「策に嵌った名無し様は、心も体も狂おしいほど私を求めてしまっている。その反応が何よりの証拠です。もっともっと、私に愛されたいのでしょう?」
自分への強くなりすぎた恋心によるものだと、名無しに信じこませようとした。
荒唐無稽だと自覚しながらも、説得力を増すために努めて落ち着いた口調で語りかける。
「貴女を手に入れるためすべてを懸けてきた」
私欲のために織田軍にとって有望な武将を陥れた事実を知られれば糾弾されるだろう。
それでも突き進んだ。
「辛い思いをさせてしまいましたが、これからは名無し様の側にいます。ずっと名無し様だけを愛し続ける」
その言葉は偽りのない三成の本心で、
(そう…三成くんに愛されたかった…私だけを…)
すでに思考が白濁している名無しは、まんまと受け入れてしまった。
「どうか抗わないで。素直になれば心も体も満たして差し上げられる。私にどう触れられたいのですか?」
巧みな言葉に誘導されてしまった名無しは、
(前にされたように強引に脱がされて口づけられたい…。長い指で体に触れられたい…)
そんな淫らな期待を抱いてしまう。