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イケメン戦国 書き散らかした妄想

第33章 歪んだ愛で抱かれる 後編 【三成】R18/ヤンデレ


「私は出会った頃からずっと名無し様に恋い焦がれていました。四六時中、貴女のことが頭を離れなくて…こんなことは生まれて初めてです。それなのに、貴女にとって私は特別な存在ではなかった。好意を持ってはいたでしょうが、決してそれ以上にならない」

「……」

それは半分正しくて半分違う、名無しはそう思った。

安土城にいた頃から彼は特別な存在。

だけど、それは恋とは呼べないほど淡い想いで、誰にでも優しく完璧な彼が自分なんて相手にする筈はないと思っていた。

まさか三成が自分に心を寄せていたなんて、さらに執着とも言えるくらいの情を抱いていたなんて、夢にも思わなかった。

「名無し様にとって私はただの無害な存在で、まったく男として見られていない。貴方の言った『可愛い』『天使』などという言葉が悔しかった…」

三成の声は次第に震え、余裕や狡猾さを取り繕えなくなっていく。

「…ごめんなさい…でも…そんなつもりでは…」

自分の何気ない言葉が彼を傷つけてしまったことを知った名無しは後悔した。

「謝らないでください。確かにあの頃の私には、貴女を魅きつける男らしさがなかった」

三成は首を横に振る。

「政略結婚の案を出し、推し進めたのは私です。名無し様は織田軍のために受け入れると確信していた」

「……!!」

衝撃のあまり名無しは目を見開く。

「そんな…どうして…他の人と結婚させたの…?」

「私を意識させるきっかけを作る為です。輿入れの日に一人だけ姿を見せなかった私を、なぜだろうと気にかけたのではないですか?そうして名無し様の心に種を蒔いた」

「……」

名無しの心に浮かんだのはあの日の風景。

雪で染められてどこまでも真っ白で…
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