第33章 歪んだ愛で抱かれる 後編 【三成】R18/ヤンデレ
愛、衝撃、怖れ、困惑、憤り、そして罪悪感…
名無しの頭の中で昂った感情がグチャグチャに混ざり合い、もう何が何だかわからなくなってくる。
「…私は人質のような立場なのに不貞をして、それがバレたら織田軍が不利になる、三成くんが罪に問われるって…こわくなったの」
呼吸と鼓動が速くなり、みるみる体が熱くなっていった。
(ああ…この感じ…前にも)
それは意思に反した性的な甘い衝動。
「やはりそうでしたか。名無し様を悩ませ苦しませてしまい、私の方こそ申し訳なく思います」
「……」
(…だめ…体が熱い…落ち着かない…)
三成は名無しの側へ歩み寄り、両手で頬を包んでそっと顔を上げさせた。
既に全身の感覚が鋭敏になっていて、少し触れられただけで、名無しはビクッと肩を震わせてしまう。
紫色の美しい瞳で真っ直ぐ見つめられると、心臓がドキドキとさらに大きく脈打つ。
「ですが、貴女が私を求めるのは当然のこと。罪悪感なんて感じなくていい。私の策に嵌ってしまったのですから」
「…それは…どういう…」
言いかけた名無しの唇を三成の指がするりなぞる。
「…あっ…」
その瞬間、下腹部から熱いものがこみ上げる感覚に、思わず名無しは小さく声を漏らしてぎゅっと両膝を閉じた。
「私の策略はもっとずっと前から講じられていたのです。名無し様の心も体も手に入れるための策が」
三成は名無しの頬に触れ、まるで種明かしでもしているような調子で言う。
「策って何…?」
名無しがそれを考えようにも、三成の長い指が愛おしそうに頬を撫でていくたびに心地よさでグズグズに溶かされて、まったくままならない。
「名無し様が私を男として意識し、私のことで頭がいっぱいになり、やがて求めてやまなくなる。そうなるよう仕向けたのです」
「……」
熱い息を吐きながら、名無しは必死に思考をめぐらせる。
そんな名無しの様子を察した三成は、その愛らしさに目を細めながら、彼女の髪の一房を指にくるくると巻きつけて弄ぶ。