第12章 私ができること
「つまり、玄界の狙いをうちの方に逸らすことがアフトクラトルの本当の狙いってことですか?」
「俺はそう見てる。実際はどうかは知らないがな。」
「あの角ヤローども。」
「やめな。仮にもアフトの兵の前でそんなこと言うんじゃないよ。」
憎しみのこもった声でつぶやくレギーをウェンが止める。
『ん?別にいいよ?気にしないし。』
「……」
「玄界はブラックトリガー4人を含むアフトの精鋭を退けた。フォームの戦術的な有利があったとはいえ相当な戦力た。そんな相手の恨みをわざわざ買ってまでアフトの都合に合わせる必要は無い。」
「別に玄界が攻めて来たってどうってことねぇっすけどね。」
「先のことを考えるときついと思うよ。レギー。玄界はここ数年で急激に成長してるから。」
生意気を言うレギーをコスケロが論破する。
「うちの国は小さいから余計な敵作ってらんないよ。」
「恨みはなるべく買いたくないが、足止めの任務は遂行しなくてはならない。そこで基地への破壊工作と言うわけですね。」
「そういうことだ。」
ラタの言葉にガトリンは頷く。
「玄界の軍事施設にピンポイントでダメージを与えて玄界の動きを止める。任務については納得出来たか?そろそろ作戦の話に移るぞ。」
その場の全員がコクリと頷く。
ガトリンは「ヨミ。」と言って隣に座っていた少年へと合図する。
すると少年は手に持っていた機会を操ると目の前に模型を出した。
「アフトから送られてきたデータによると、確認された玄界の実働部隊は40〜50人程度。総数はその倍から3倍はいると考えられます。雛鳥は戦力として数える必要はないでしょう。」
ヨミはそう言うと模型に黒いトリガーを加える。
「そして、少なくとも1つ多ければ4つのブラックトリガーを持っています。」
「1本4本じゃだいぶ違うじゃねえか。適当な情報寄こしやがって。」
レギーが不満をたれるとガトリンがゆるに視線を向けた。