第12章 私ができること
「すみません。レギーは普段はああですが、頼りになる奴なんで。」
『ううん、気にしてないよ!』
「……なら、良かったです。では降りましょうか。」
ラタに連れられ下に降りる。
狭い作戦室には、2人の男と少年、そして女性が立っていた。
「お待たせしました。」
「へぇ。その子がアフトの兵?まだ子供じゃん。」
「見たところ、ラタとレギーと歳が近そうですね。」
『はじめまして!ゆるっていいます。』
「私はウェン・ソー。同じ女同士仲良くやりましょ。」
「ボクはヨミと言います。」
「俺はコスケロ。よろしく。」
『どーも!』
「俺はこの隊の隊長のガトリンだ。お前の所有権は俺がアフトから一任されている。しっかり働いてもらうぞ。」
『はぁい。』
「さぁ。紹介も終わったところだし。任務の最終確認だ。」
ガトリンの言葉を皮切りに、机が光り出すとボーダーの設計図か現れる。
「今回の任務について俺の決定を伝える。アフトクラトルからの司令は玄界の足止め。玄界の兵がアフトを負えないように打撃を与えるのが俺たちの仕事だ。やり方はこっちに一任されている。で、今回は……玄界の基地を狙う。」
「…この人数で敵の基地を?」
レギーは自分の仲間の顔を見渡す。
「街を狙うんじゃないすか?」
「それはつまり、基地のトリガー使いを狙うってことでしょうか?」
「いや、狙うのはあくまで基地だ。人間は狙わない。」
「雛鳥を狙うのもなしってこと?」
ラタの次にウェン・ソーがガトリンに尋ねる。
ガトリンはその問いに頷くと「そうだ。」と短い答えを返した。
「何故ですか?ガトリン隊長。トリガー使いを捕まえれば玄界にとっては痛手...…神の国の注文通り足止めにもなる。」
『狙われちゃうからね。玄界のトリガー使いに。』
全員の視線が集まる。
ガトリンは面白いと言わんばかりに目を細めた。
「そうだな。この人数じゃ、こっちが不利だ。」