第12章 私ができること
「そこでお前の出番だ。」
『何で?』
「お前は元々玄界の兵だと聞いている。何か覚えていることはないか?」
『え…?玄界の、兵だった…?私が?何、それ…?
(私はこの間、初めて玄界のこと知ったは、ず……)』
ガトリンの質問に混乱する。
「……?」
『あ!でもね、ハイレイン隊長が遠隔斬撃してくる奴がいるって聞いた!』
「厄介だな...。こちらの戦力は我々7人と手持ちのトリオン兵...。ロドクルーンと連携が取れない以上戦力的に厳しい任務になりそうですね。」
コスケロは悩むように顎に手を当てる。
「そうだ!そうっすよ!なんでロドクは不参加オッケーなんすか?」
「不参加じゃない。」
「え?」
『?』
レギーは間抜けな声を上げるとポカンと口を開ける。
そして、ヨミがすかさず模型にデータを加えていくと、表に有り得ないレベルのトリオン兵が映し出された。
「ロドクルーンはドグ200体にアイドラ95体出すと言ってきた。これではさすがに文句は言えん。」
『……犬かわいくない。』
「300体も!?」
「小型とはいえ大盤振る舞いだね。」
「これだけの駒があればやりようはありますね。」
「そのやりようをこれから詰めていく。」
ガトリンはそう言うと自分の背後に写ったボーダーの基地へと視線を向ける。
「玄界に着いたらまずは実地調査で前情報との照らし合わせ。その後、ロドクルーンからトリオン兵が届き次第作戦実行だ。」
ガトリンの真剣な顔を見てその場の全員に緊張が走る。
もうすぐ新たな戦いに幕が上がろうとしていた。