第12章 私ができること
あれから何日か経つとアフトクラトルの本国に着いた。
「本国に着いて少ししか経っていないが、事に移るとしよう。」
『何するの?』
「あちらでの記憶を消し、私達と同じように角をつけ、黒トリガーと適合させる。お前にとっては残酷かもしれんが、必要なことだ。」
必要なこと…。
みんなを守るためなら、怖く、ない。
「多少痛みはあるかもしれんが、そう怯えなくていい。すぐに終わらせる。」
そういうと注射器を持ってきた。
『注射…?』
「…これで眠っていろ。時期に記憶が消えていくだろう。その間に他のことも終わらせておく。」
『……優しいの?』
「捕虜は丁重に扱えと言われている。それに、部下には優しくしておいた方が得だろう。」
意外と面白いな、この人。
なんて、思ってしまった。
「では、始めるぞ。」
『……ん。』
針の刺さる感覚と共に意識が落ちていった。