第2章 灰色の朝
○
三輪隊の隊室に着く。
そして、
『蓮~!来たよ~!』
とオペレーターの月見蓮に声をかける。
でも今日は返事がかえってこない。
すると、
「あ、ゆるじゃん。何?蓮は今呼び出されていないよ。」
代わりに三輪隊の攻撃手、米屋陽介から返事がかえってきた。
『そっか。あれ、陽介ひとりなの?』
「いーや。いるよ、ここに。」
とモニターを指差した。
陽介の脚の間に座る。
画面をのぞきこむと、そこには三輪隊の隊長三輪秀次と狙撃手の奈良坂透、古寺章平が映っていた。
訓練…だよね…。
そのわりには秀次の顔が怖いな。険しい。
『秀次……どうしたの、陽介?』
「え?あぁ。この間、黒トリガーのネイバーと戦ってさぁ。そこを迅さんが丸く収めた(?)んだけど、あいつのネイバーへの執念は異常だからさ。」
陽介は私の肩にあごをのっけながら答える。
『ヤりに行く気?』
「城戸司令の命令で今度、帰って来る遠征部隊と黒トリガーを押さえにいくの。」
遠征部隊と…黒トリガーを押さえに行く………?
『え、あ、そうなの…。』
悠一、あいつ三輪隊のこと隠してやがったな。
でもそういうことか。
悠一の言う8人は攻撃手と射手か。
狙撃手はどーするのかな。
透も古寺くんも当真もやり手なのに。
うーん。
「ゆーる」
『ん?』
「秀次達ずっとこの状態だから止めてきてくんね?俺ランク戦行きたい。見張りもう疲れたわ。」
『今の秀次が言うこと聞くかな。透達は聞いてくれそうだけど。』
すると、陽介は抱きついてきた。
「んー?ゆるの言うことなら聞くでしょ。なんだかんだ秀次さ、ゆるがここに来なかった間さみしがってたし、心配してたよ。まぁ、俺もだけど。」
『!!』
蓮には会ってたけど、陽介達にはやっぱり心配かけてたか……。
『陽介?』
「ん?」
『心配ありがとね。』
「……ん。じゃあ、秀次達止めてきて。」
『あーい。』