第3章 それぞれの思い
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『秀次。そろそろいいんだよ、私の目のことは。そもそも秀次が一緒に逃げてくれてなかったら私死んでたし。』
「でも、守るって言ったのに………」
『今の秀次は自分のこと許せてないだけ。私はサイドエフェクトがあるから不自由なことないし。』
そう、私のサイドエフェクトは視覚、聴覚が人よりも優れていて、何より運動神経が常人離れしているらしい。
これも病院で知ったことの一つだ。
『まぁ、いつまでもウジウジしてると3日後負けちゃうよ。私のこと…守るんでしょ?』
「……!」
『私より強くならないとね、秀次?』
「………負けない」
普段の秀次だ。
負けず嫌い。
『じゃあね。秀次頑張って。私、陽介とランク戦行くから。』
「次は俺と行って勝負だ。」
『はいはい。』
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「え、俺とランク戦行く?」
戻って陽介に連れていってというとそう返された。
『なんで?だめ……?』
「いや。全然いいけど。
あんま行かねーじゃん、ランク戦。」
『S級はランク戦できないからね。でも今日はあっちに新くんもいるから。』
「え、辻いんの?勝負してもらお。」
と会話をしながらランク戦をしに向かった。
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「ゆる」
『新くん!!』
「早かったね。遅くなると思ってた。」
『いつも遅くなるから早く来たの!』
「お、辻~。勝負して。」
新くんは6:4で陽介に勝った。
私達はしばらくランク戦を楽しんでから家へ帰った。