第1章 幼女死神
『よるいちしゃん!』
「おぉ!リリカ遊びに来たのか」
2番隊に似つかわしくない幼い声が聞こえ
気づいた時には夜一の懐にはリリカが居た
「夜一様!!いくらお知り合いだからと、そう易々と隊舎に入れては…!!」
「まったく硬いのぉ砕蜂。なぁリリカ」
『しょいふぉんかたい!』
っとビシッと砕蜂を指さすリリカに、顔をさらに顰める
「ほれ、この茶菓子美味いぞ」
『いただきまーす!』
もぐもぐと夜一の上で高級饅頭を食べている夜一
「夜一様」
目の前に頭を下げた夜一の部下が報告に来た
「はぁ、もう迎えに来おったのか。ほれリリカ喜助が来たぞ、砕蜂門までリリカを送ってやれ」
「…承知しました」
砕蜂は前の廊下をちょろちょろと歩くリリカを見ていた
どうして夜一様はこんな幼子に…っと
「リリカ〜」
っと見なれた憎い男が門の前で手を振っている
『きしゅけ!』
物凄いスピードで走って浦原喜助の懐に飛び込む
「お世話お掛けしました。夜一サンによろしく言っといてくださいな」
『ばいばい!そふぉん!』
ニヘラっと笑った幼子に心が少しキュンっとしてしまったのを隠すように門を勢いよく閉めた____
「まったく、勝手に夜一サンのとこ行っちゃダメじゃないっスか。」
カランコロンっと下駄の音が響く。
肩車をした喜助の上に顎を乗せるリリカ
『よるいちしゃんはねーおかしくれるの!』
「あ、また食べたんスか。夕餉入らなくなるッスよ」
「お、喜助やないか」
ふと後ろから聞こえる声
『あ、はげ!』
「禿げちゃうわ!!!ったくひよ里のやつの真似しおってからに」
金髪の長髪をはためかせる
平子真子と
その後ろに控える藍染惣右介
文句を言いながらも肩から降りたリリカを撫でる
「ほれ、お土産や、現世のなんつったかな」
「たい焼きですよ隊長」
「せや、たい焼きや、たい焼き。んでも海の魚を模したお菓子らしいで」
『わぁい!』
もぐもぐと口に頬張る
「やれやれ、こりゃもう夕餉入らないッスね」
「せや喜助、これから呑みにいこうや」
「呑みにッスか?まぁ別にいいですけど」
「誘えるやつ誘ってくるわ」