~SWEET BLACK POLICE~ 【DC:降谷零】
第5章 恋人
「んーっ、気持ちいい!また明日から頑張れそうな気がする!」
「ほんと綺麗だな」
辺りがすっかり暗くなり星が輝いている。海と星のコラボレーションは実に綺麗だった。
「皆……ゼロくんが無茶しないように見守っててね……」
輝く星に向かって、独り言を呟く。ゼロくんも皆のことを思い出しているのか静かに海を見つめていた。
「明日も早いし、そろそろ帰るか…」
「うん…」
差し出された手を握り2人で車に向かって歩き出す。
「(私はいつも、この大きくて優しい手に守られている。でも、私はそんなゼロくんの支えになれてるのかな…。)」
これ以上大切な人を失いたくない気持ちから、だんだん涙が込み上げてきて、繋いでいた手をギュッと握った。
ゼロくんも私が泣きそうなのに気づいてギュッと握り返してくる。
「俺は陽菜がいるから、トリプルフェイスの生活をしていつも、降谷零として帰ってこれる。陽菜が待っていてくれる場所があるから、生きて帰るって強く思うことが出来る。陽菜は充分、俺の支えになってくれてるよ」
そんなゼロくんの言葉に我慢していた涙が溢れ出してしまう。
「ふっ……っぅ。なんでっ、なんでいつも私の思ってることがわかるのっ……えぐっ、えぐっ」
優しく微笑みながら、次から次に溢れ出す涙を指ですくってくれる。
「わかるさ。俺はいつだって、陽菜しか見てないからな」
「ふふっ。何それ、説明になってないよ!」
2人で微笑みあい、お互いを強く抱きしめる。
「ゼロくんに抱きしめてもらうと凄く安心する。ゼロくんの匂いも好きなの…」
「俺の匂い?もうすぐ30だからなぁ、これからも陽菜の好きな匂いでいられるように、体臭とかきをつけないとな」
「どんな匂いでも、嫌わないから大丈夫だよ」
上目遣いでゼロくんを見つめる。頬に手を添えられ口付けを交わす。お互い名残惜しそうに唇を話せばゼロくんが口を開いた。
「よし、いくか」
「うん、明日も早いし、仕事もたまってるもんね…」
「はぁ、そうだな。ずっと陽菜とイチャイチャしていたいがそうもいかない」
2人の甘いドライブデートはこうして幕を閉じた。
NEXT…。