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強くて、脆くて、可愛くて【東リべ夢】〘佐野万次郎夢〙

第2章 嫉妬、そして……独占欲




頬が佐野君の手に包まれる。

「……好き」

「さ、の……くっ……」

「好き……好きだ…………」

唇以外にも、キスが降り注ぐ間中も、ずっと好きだと言われる。

恥ずかしくて、嬉しくて、熱い。

「佐野君っ、ちょっ、待ってっ……」

「何?」

首筋にまで唇が下りてきて、焦る。

止める私の声にも、佐野君は動じる事はなくて。首筋にチリリと痛みが走る。

「答えられなっ、い……から、待ってっ……」

体を押すと、意外とすんなり唇が離れた。

その代わり、また真っ直ぐな視線が射抜くみたいにこちらを見つめていた。

緊張する。心臓が、飛び出そうだ。

深呼吸をして、改めて佐野君に向き直る。

「わ、私も、好き、ですっ……」

「マジで? は、俺の?」

「はい……」

「……そっか……へへっ……」

恥ずかしくなり、いたたまれない今の私は、きっと顔が茹でダコみたいになっているだろう。

嬉しそうにふにゃりと笑う佐野君が可愛くて、私は佐野君の唇に自らの唇を合わせる。

呆気に取られた顔の佐野君の腕の中から逃れようと、私は体を移動させようとしたけど、無駄に終わった。

「逃がさない」

「さっ……んンっ……」

再び塞がれた唇は、甘くて優しい。

ただ、それは最初だけの話で、段々激しさを増していき、大人のキスに変わっていく。

こんなキスは、知らない。

「ほら、……あーんして」

「ぁっ……ぅんんンっ、はぁっ、ゃ、んっ……」

言われるがまま口を開くと、ぬるりと熱い舌が入ってくる。

何度も角度を変えて繰り返される、体が疼くようなキスは、私の頭を朦朧とさせ、甘い痺れを促す。

初心者の私には、このキスはハードルが高い。

「さ、くっ……ふっ、ダメっ……」

「何で……は、俺のでしょ……」

「でもっ、はっ、ンっ……ふぁ……」

こんなの、どうしたらいいか分からない。

学校の屋上で、お互いの唇を貪り合うみたいなキスをして、体を熱くさせているなんて。

「……すっげぇ、エッチな顔……たまんねぇ……」

「もっ、は、ずかしぃ、からぁっ……」

耳元で囁かれ、抱きしめられた体を捩って、どうにか抵抗を試みる。
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