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海の男たちに愛される話。

第1章 片思いの彼に好きと言ってみた。



〜ヴェルゴの場合〜

「ヴェルゴさん!」

そう呼んでもふりかえってすぐそらす彼は
私の上司。
海軍であるが実はスパイで
ドンキホーテファミリーの最高幹部だ。
知ってなおのこと、私は彼について行き、
いまはドンキホーテファミリーというか
ヴェルゴさんの部下。

「ヴェルゴさんってば!」

私が勝手についていくなんて言って、
ここ数年もひっついているから、
ドフラミンゴも諦めたらしく私を放し飼いにしてる。
好都合だけど。

「もう!ヴェルゴ!!!」
「さん、だ!!」

やっとのことで立ち止まり振り向いた彼の顔には
食べかけというか食べずに終わってる
ポテトが数本ついていた。

「ふふ、まーたヴェルゴさん、
頬っぺたにポテト、ついてますよ。」
「あァ、すまない。」
「ん、冷えてるじゃないですか〜。」

この光景もきっとドフラミンゴたちにとっては
日常となりつつあって、
さっきから通りかかるひとたちも呆れ顔で何も言わない。

「勝手に食っておいて文句か。
それと、そういうことをするな。」
「そういうことって、別に誰にでもするわけじゃないですよ?」

謎な顔をしたから、私が手招きをすれば
彼は首を傾げて背を低くして耳をかす。


「大好きなヴェルゴさんにだけですよ。」

「...俺を振り回すのが好きなだけだろ。」
「そんなぁ〜!
じゃないとこんなとこまでついてきませんよ?」

そう言えば彼は、勝手にしろと吐き捨て
また歩いていく。
私もそんな彼を追いかけて隣で歩いて
背の高い彼を見上げる。

「ふふ、好きです。」
「静かにしろ。」

そういうあなたは耳まで真っ赤。
あなたが近寄るなと言うその日まで
私はあなたについていきます。



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