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海の男たちに愛される話。

第1章 片思いの彼に好きと言ってみた。



〜ヴィンスモーク・ヨンジの場合〜

「セリア、
あのカワイ子さんと仲良くしてたよな?」

緑色の髪をオールバックにした彼は
私の’一応'許嫁。

「仲はいいけれど?」

私はレイジュの一つしたで、
彼ら四つ子の二つ上の23歳。
彼らのように子供のようでもないけれど
レイジュのように大人だとも思ってない。

「なに?会いたいの?」
「お前の顔にも飽きたころだしな!
そうだ、交換すればいいんじゃないか?」

ずっとナミのことを言っているが
ここまで言うのは初めてだった。
まぁ、私からすれば手の焼ける弟のような彼らから
離れられることは嬉しい。

「....そうね。じゃああなたのお父様とお話ししてくるわ。」
「ばっ!私はッ」
「なぁに?私の顔には飽きたんでしょう?
私もあなたたちのお世話係には飽きてきたころだし。
まぁ、私が麦わらのみんなのところへ行ったとて、
ナミがこちらにくるわけもないんだけれど。」

こんなのは意地悪でもなんでもない。
彼はわかってもいないから、それがむかつくし
どうせ私の反応を伺うために言ってるのも
わかっているから尚更。

「セリア、出来の悪い弟の代わりに謝るから
そんなこと言わないで?」

レイジュはいつからみていたのか
手を掴んで座らせる。

「サンジみたいに優しくて
紳士で素敵な人の許嫁になりたかったわ。」
「なッ!?!私のなにが悪いっていうんだ!」
「レイジュ、私はもう子供には付き合ってられない。
ジャッジ様にもお話しして他の姉妹を連れて来させるわ。」

頬杖をついて彼に視線を戻して見つめる。

「そういうことみたいだから
私はもう止めようがないわね。」
「レイジュ!姉ならもう少しなんとかしてみせたらどうだ!」
「何言ってるの?両片思いなのを良いことに
あぐらかいて好きな子をいじめてる男の
自業自得でしょう?」

レイジュはとんでもないことを言ってるが
当の本人の私は黙ってみている。

「両片思いッ、!?
へ、変なことをいうな!」
「あら違うのヨンジ。
私はあなたが好きだけれど。
あなたが私を好きで
こんな意地悪を言ってることも知ってるわ。」

小さい頃だってなんやかんやで
私にひっついてたくせに。

「わ、わ私は別に!」
「はいはい、だけど...チュッ
いつまでもそんなんじゃ本当にどこかにいっちゃうわよ。」
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