• テキストサイズ

海の男たちに愛される話。

第1章 片思いの彼に好きと言ってみた。



〜シャンクスの場合〜

「はぁ。また宴って...食料がいくらあっても足りない。」
「まぁまぁそういうな。」

横で笑うベックは私の手伝いをしてくれながらも
お酒を飲むのは欠かさない。
大頭っていうかまぁ私にとっては大頭でもなんでもない、
ただのご主人って感じなんだけど、
というのも大頭、シャンクスになんやかんやあって
助けてもらったまま家事等をして船に乗せてもらってる。

「おーい、お前らも飲めよ!」

「だとよ。そろそろあっち行くか?」
「私まであっちに行ったら片付けとかどうなんのよ。」
「たまにはいいだろ?なんだぁ?おれの酒が飲めねぇってかぁ?」
「っ!シャンクス、いつのまにっ!てか近い!」

あんたたち顔だけはいいんだから
急に近くに来られると死ぬんだって!
イケおじ!

「ん?そんな可愛く叩いたって痛くねぇぞ?」
「う、うるさい!ベック助けてよ!」
「おれも飲みたいんでな、あとは任せた。」
「はぁ!?裏切り者!私を殺す気!?」

色んな意味で死ぬのよ!
一回りぐらい年上の男は私からすれば
憧れる対象で、でもこの人は色気までも持ち合わせてるから
なおタチが悪い。

「ちょっとシャンクス、重たい。」

こうやって酔っ払って項垂れてる彼を見てきてわかったこともある。
仲間や友達を傷つけられたら容赦なく叩き潰す強さも
一生懸命に人と向き合うところも、
見てきてどんどん惹きつけてくる。

そう、私はこのイケおじ酔っ払いが好きなのだ。
どうしようもなく。

「お、悪いな。」
「どうして私を抱える!!」
「はははっ!捕まえとかねぇとすぐ働こうとするだろ?
船長命令だ!働くな!だははは!」

うるさい。
どかっと座って膝の上に横抱きのまま私を座らせて
腰に腕を巻きつけている。

「どうやってお酒飲むのよ。」
「あ、確かにそうだな!」

これで大頭だもんな。
変だよ本当に。

「もう...はい。」

考えるそぶりもしないで私に腕をまわしたまま笑う彼に
お酒を注ぎ口元へ運ぶ。

「それにシャンクスは大頭じゃないし。」
「ん、どういう意味だ?」

「シャンクスは私の主人でしょ。」

シャンクスに拾われた家事代行、のようなものだ。
戦いもしないし武器ももったことがない。
そんな人間がこの人のクルーの1人だなんて。


/ 31ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp