第1章 片思いの彼に好きと言ってみた。
〜シャチの場合〜
「そこのばかしゃち。」
「いでっ、なんだよ!蹴るこたねぇだろー?」
あーうるさい。
キャプテンはあんなにかっこいいのに
どうしてこの腑抜けはだらだらとしてるんだ。
「サボってばっかだといつかキャプテンにチクるかんね。」
「それは勘弁!」
そう言いながらもへらへらと笑ってるシャチ。
あぁもう、気が抜けるというか、
こんなやつに絆されてしまう私も重症だな。
「なにニヤニヤしてんのよ。」
「いーや?チクりはしないんだもんな。」
優しいよな、なんてまたふざけたことを言う。
「っ、なに、チクってほしいなら言ってよ今す「ごめんなさい!!!」」
「ははは、嘘に決まってんでしょ。」
「なでなで。」
「は?!なに!?」
笑ってしまえば何故か頭を撫でられる。
その状況に訳がわからず戸惑って
彼を見上げる。
「あっ、わ、わりぃ!思わず!」
「は、はぁ?あんたどっか悪いんじゃないの!
キャプテンにみてもらえば!?」
「そこまで言わなくてもいいだろ!?
お前だって熱あるんじゃね?!顔赤いぞ!」
見てもらえよ!なんて図星なことを言うもんだから、
わなわなと私はまた赤くなる。
「シャチのせいだもん!!!!
そりゃ好きな人に急にあんなことされたら赤くもなるわよ!!」
「なっ、かわ、いっ!」
「おい、あの暑苦しい2人をどうにかしろ。」
「バカップルが成立しただけでしたね。」
「アイアイ!バカップルにつける薬はないよ!」
なんて、そんなことを言われてる私たちでした。