第1章 片思いの彼に好きと言ってみた。
「サンジぃっ、ひっぐ!
ごめん、なさいぃ!
やだよ、こわいよっ、」
「っ!?!」
泣いてしまった。
こんなふうな触られ方は願ってないから。
「っ、ひっくっ、やだよ、」
「....わりぃ。カッとなっちまった。」
「??」
なぜ彼がカッとなるんだろう。
涙ながらもわからなくてはてなをうかべる。
「っ、ぁあもう、泣くな!」
「ぃっ、たいよサンジっ、ガシガシしないで!」
「あ、ぁ、とにかく、男に隙を見せるな。」
隙だなんて見せた覚えはないけど、
どうしてそういうことを今更言うんだろう。
彼にとって私はなんてことのないクルーの一人だというのに。
「...男だからじゃない、サンジだから助けてって言ったんだよ。」
私の気持ちを知ろうともしないくせに、
自分の言いたいことだけ言って。
「な、「サンジが好きだから。
私にとってサンジだけが男の人だから。」」
本当に助けてくれると思ってたから。
本当は私にだって優しいサンジだから。
「好き。好きなの、サンジッ」
あぁまた涙が出てくる。
好きって伝えるのってこんなに溢れるものなんだ。
「あぁほんと勘弁してくれ。」
そうだよね。
それが答えだよね。
色気も何にもない女に言われても迷惑だよね。
「勘違い、してんだろ。」
「へ?」
「おれだってセリアのことすきなんだよ。」
「そう、......ぇえ!?」
夢?
あ、サンジのふりした誰か?
「また変なこと考えてんな?
ほら、おれだろ。」
私の手を取り自分の顔に持っていくサンジ。
触れるだけでわかるのかも不思議だが、
その行為よりも私を見る表情が
くだけた笑い方でサンジでしかなかった。
「うん、サンジだ。
...私サンジの好みじゃないよ。」
「はぁ、好みではないけどお前は可愛いし綺麗だよ。」
「なっ、サンジ、頭打った?」
「ばぁか、本心だっての。」
そう言って彼は私の上にそのままうなだれた。
「やべぇなこの態勢。」
「さ、サンジ?」
「あんまされるがままにしてっと本当に襲っちまうぞ。」
「えっ、な、え?!」
彼曰く、ずっと我慢してきた分だと、
そのまま数分私の身体中に赤い花を咲かせた。