第1章 片思いの彼に好きと言ってみた。
〜サンジの場合〜
「サンジ、そろそろいいよね?」
「まだに決まってんだろ、いい子にしてろよ。」
「なんでよ。はやく欲しいんだけど。」
彼の手際には私もグダグダになるほどで、
今日も今日とて欲してしまう。
「あんたたち2人、いかがわしい言い方しないでくれる!?」
「「え?」」
「料理の話よね!?」
ツッコミ屋さんなナミが今日もツッコミをくれる。
この日常はまったく飽きないんだよな。
「ははは、そんなふうに聞こえた?」
「ったくもう...サンジ君もよ!」
「ごめんねナミさぁん♡
て言ってもなぁ、おれからしたらこいつに色気も何もないもんで、
逆に乗っちまうんだよな。」
この淡々とひどいことを言う彼は
ルフィ率いる麦わらの一味のクルーでコックのサンジ。
そして日常になりつつあるこの掛け合いの相手で
....私の好きな人。
「ひどいよねほんとサンジって。
結構傷ついてたらどうすんのよー。」
「へぃへぃ。ほらもう少しで出来上がっから、向こうで待ってろ。」
この日常は私は好きなようで嫌いだ。
私の気持ちに気づいてか気づかないでか、
平気で受け流してしまうんだ。
「おっけー。じゃ私先に行ってみんな集めてくる。」
「おう。」
私が1人で出てすぐ振り返れば、
早速サンジとナミが楽しそうに笑ってる。
照れくさそうな顔をするサンジ、
そんな顔、私にはむけてくれない。
「あぁもう...諦めるかなぁ。
と、先に寝坊助のゾロを起こそう!」
何かしてないと泣きそうだ。
はやく他のみんなの顔を見てしまえば
笑おうと無理にでもしてしまうから、
はやくまずはゾロのところへ向かった。
「いつものところ、っと、ゾロいた。
ゾロ起きて、ご飯だって。」
「んぁ?」
二度寝どころかずーっと寝てるのに
なんで強いんだろうとも思うけど
努力を見せびらかさない強さを私は尊敬している。
「どこでも寝れるのすごいよね。」
「そうか?...って、またなんか言われたのか。」
「え!?」
そう、ゾロは意外にも周りをみているから、
私のことも見てくれてて、何かあったと気づいてくれる。
「ひきつってるぜ、不細工な顔がよ。」
そう言って上半身を起こして私の鼻をつまむ。
「ちょ、ゾロ!仮に本当でもひどいって。」
「くくっ、冗談だよばぁか。
自信持て、お前は綺麗だよ。」
