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海の男たちに愛される話。

第1章 片思いの彼に好きと言ってみた。



で、目の端の方でそろりと逃げようとしている
馬鹿は、どうしてやろうかな。

「ひっ!コアラの冗談じゃないのか?!」
「そんなに怯えなくてもいいじゃん、なにもないなら。」

てか、普通に悲しいんだよね。
コアラは知ってる風で、私は何も知らないのが。
私のことも大事にしてくれてるのはわかってる。
でもそれは妹だからで、
ならコアラは私よりサボに近い存在で。

「兄妹っていうなら教えてよ。」
「無理だ。」
「教えろ。」
「無理です!!」
「私たちの中に隠し事は禁止でしょ!」

「兄妹だからこそ見せられねぇんだ。」

さっきまでの怯えたふりが嘘のように
真剣な顔で詰め寄る私の肩を掴む。

「...なんで?」
「だからそれは...。」
「私のこと、嫌い?」

サボ、私は好きだよ。
きょうだいだからじゃない。
サボを恋愛対象で見てるんだよ。

「嫌いなわけ、ないだろ?」
「っ、兄妹だもんねっ」
「あぁ。」

どうしてそんなに寂しそうな顔してんのさ。
私がなにかしたみたいに。

「いっそのこと嫌いになれたらいいのに。」
「は、?」
「サボのこと嫌いになって革命軍もやめて、
世話もしなくて良くなって、
それから素敵な人と出会って、結婚でもすれば...っ、
サボもルフィも、エースもっ、心配せずにいられるでしょ。」

妹だからって私をそばに置いておかなくてもよくなるね。

「もうそばにいるの、やめる。
なんなら私が邪魔してたかもだし。」
「邪魔?なんのだよ。」
「コアラとサボの。」

何でそんなことになるんだって顔してる。
じゃあなんで知ってんの。私が知らないこと。
なんでコアラには知られてていいの。

「おれとコアラはなにもないだろ。」
「うん、いままではね。私がいたから。」
「っ、だからどうしてそんなことになるんだ!」

何で怒鳴るの。
何で私を責めるのよ。
だってあんたが言ったんじゃない。
妹だって。呪いをかけたんでしょ。

「もうやだ、サボと一緒に居たくないっ
やだよぉ..しんどいよっ、」

私が吹っかけなければならなかったこの言い合いも、
私がこの気持ちに蓋をしきれなかったから。

「ごめん、ね。
サボ、私もうサボといられないッ
見守ってあげられないッごめ「だめだ!」」


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