第1章 片思いの彼に好きと言ってみた。
〜サボの場合〜
「だから言ってんじゃん、あんたが
ルフィにかまけてるから怪我するんだって!」
「かまけてるってなんだよ。
当然だろ、大事な弟が頑張ってんだから、
兄のおれも頑張らないと。」
「また始まったよ痴話喧嘩。」
「痴話喧嘩じゃないから!」
だいたい、ルフィの手配書とか
新聞とか見かける度に騒いで夢中になって
海兵に見つかって、
そのうえ紙切れまでも大事にしちゃうもんだから、
庇って擦り傷負うし。
「まぁかわりに怒ってくれるようになったから
私達も楽になったけど、
サボ君、あんまりにも単独で動くんなら
セリアちゃんのこと連れ回さなくていいんじゃない?」
ナイスコアラ。
私を振り回して楽しそうなわけでもないし。
私と再会する前までは
コアラたちを引き連れてたわけでもなかったみたいだし。
わざわざ私を呼んで苦労させないでくれても、ねぇ。
「それはだめだ。」
「なんでだよ!!!」
へらへらしてる顔を真顔にして答えるサボに私はつっこむ。
「セリアだっておれにとっては大事な妹だ。
できるだけ一緒にいる。」
「...なんで私が妹なんだよ。
同い年だろ、なんなら私が姉でしょ。」
「まだそんなこと言ってるの?
2人ともなんにも変わらないよ、そのままじゃ。」
なんて言いながらもコアラはくすくす笑ってる。
まぁそうだろう。
なんせ妹だなんて言われてる私は
ずっとこのブラコン自由人が好きなんだから。
義兄妹なんて言われたって嬉しいけど嬉しくない。
そんなことをコアラにはバレてしまってる。
「サボはルフィが一番だもんね。」
「一番とかそういうんじゃないだろ?」
「どうだか!ルフィの切り抜きでいっぱいの壁は
やばいから!!!」
「おれの部屋に入ったのか!?」
「すぐ起きないあんたが悪い!」
「まーた始まっちゃった。」
「てかなんで部屋に入ったぐらいでそんな焦ってんの!?」
「な、別に焦ってないぞ!」
いや焦ってんじゃん。
「もう白状しちゃえばサボ君。」
「お、おい何言ってんだ!」
「は、コアラ何。コアラはこの焦り様、知ってんの?」
「え、飛び火?ちょ、や、やだなぁセリアちゃん!
私はなにも知らないよ?あ、そだ仕事があるから!!」
「チッ、逃げたか。」