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海の男たちに愛される話。

第1章 片思いの彼に好きと言ってみた。



〜キラーの場合〜

「頭〜。」
「あ?なんだセリア、腹でも減ったかァ?」

まったくこの男は私をなんだと思ってるんだ。
なんとなーくのなりゆきで
彼らの船に乗ってもう2年ほど。
今日も頭のキッドの元へ暇を持て余してきている。

「そんなわけないでしょー。
キラーさんはなにが好きだと思います?」
「またキラーの話かよ!てめぇで聞きやがれ!」

毎度の如くこの流れになるのは日常となりつつある。
私はキラーさんが大好き。

「えー、たぶん私苦手意識持たれてますもん。」
「なんでそう思う。」
「だって私と目が合うことないし、
私が頑張って話しかけても単調な返ししかないんですよ?」
「んなにキラーが好きか?」

頬杖ついている私の目の前まできて
ニヤリと笑う頭。
イケメンっていうのはずるいよなぁと思うけど
私はやはりキラーさんの方が好きだ。

「もちろん。」
「なら教えといてやる。
キラーはあぁみえて結果ウブだぜ?」

そう言い大口で笑う頭をみて私はもちろん
はてなマークをあたまのうえに浮かべる。

「ったく、仕方ねェ、お前はそこの奥に隠れてろ。」
「え、ちょ、いたいいたい!押し込まないで!」

本当になんなんだこの人は!
私は一応戦闘員でも女だよ!?

「はぁ、なんなんだよぉ。」

まぁでも頭の言うことは聞いておこう。
何が起こるかも興味がある。

「キラー!」

そんなに叫んでみんなびっくりすると思うけど
それはまぁ毎回のことだから慣れてるかもな。

にしてもキラーさんを呼んでどうするんだ。
なんだろ、この異様な動機は。

「そんなに叫ばなくても聞こえてるぞキッド。
どうかしたか?」
「あー、まァなんだ、今好きなやつとかいんのか。」
「はっ!?!な、なんだ急に!」
「昔はよくんな話してただろ?なんとなくだ。」

キラーさんも好きな人、いるのかな。

「...そう、だな、いる。」

いるんだ....。胸が痛い。きついなぁ。

「ほォ?俺の知ってるやつか?」
「まァそうだな。」
「どんなとこが好きなんだ?」
「質問攻めだな。」

興味があるなんて思わなければよかったかな。

「自分の方が怪我してるのになりふり構わず俺を心配するところも
俺たちに必死に並ぼうと努力するところも
泣きたいだろうにいつも笑ってるところも..」
「んなにセリアが好きかァ?」

え?!
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