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海の男たちに愛される話。

第1章 片思いの彼に好きと言ってみた。



〜エネルの場合〜

「あーぁ。エネルどうすんの?」
「何故おれが負けた!」

麦わらのルフィに負けて
彼は何故だ何故だとあたふたしている。
数時間も前のことなのに。

「もういいじゃん。」
「それこそお前も何故おれを恐れない!」

恐怖こそ神だと言っていたのはもちろん彼だけだし、
私ももとより別に神を信じてるわけでもない。
能力者だから無能力者からすれば手も足も出ないだけで
元海軍の私も彼を恐るなんてことはない。

「んー、そんなこと言われてもねぇ?」
「くそ!」
「神様がそんな汚い言葉言ったらだめだよー。」

そういえばまた睨まれ詰め寄られる。
でも私は恐れないし逃げもしない。

「もう、おれは神ではいられないのか。」
「神じゃなくてもエネルはエネルだし?」
「っ、そういうことではないだろ!」

なにをそんなに怒ってるのか私には分からないけど
あんまりにも目の前で悔しがってるもんだから、
私はため息をついてエネルの頬を両手で包む。

「私がそばにいるんじゃだめなの?」
「んむっ、どおううおおあ?!」
「はは、なんて言ってんのさ。
まぁとりあえず、私はエネルが好きってことだよ。」

流れるように告白をして包んでいた頬から手を離し、
次には手を握る。

「正気か人間。」
「またそんなふうにいってー。
まぁいいよ。私がずっとエネルを崇拝してあげる。
ひとりでも称えれば神は神でしょ?」

そう言ってあげておいたら
たぶん彼は少しは救われるだろう。
人間が神を救えるなんて思わないけど、
私は私なりに彼を支えたいから。

「...セリアは頭がおかしい人間だ。」
「やっと名前呼んでくれた。」
「ふんッ数少ない大事な信者だ、特別扱いをしてやる!」

気分良くなったみたいでなによりだけど、
無駄にえらそうになっちゃって
私は苦笑いするしかない。

「どう特別扱いしてくれる?」
「ん、お前には毎日キスをしてやる。」
「はははは!
感謝します、ゴッド・エネル様?」

私は握ったままの彼の手の甲にキスを落とした。

「な、なぜお前がキスをする!」
「えー、じゃあ今日の分のキス、してよ。」


「フッ、ワガママな人間だ。
特別、だからな。」


人間が神を救う話。



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