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二人の航海者

第5章 秘密の会


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「なんだと千空!蒼音の!?『Aonn』独占ライブチケット!?なんだそれは、聞いてないぞ貴様ら!!」

新世界の通貨、『ドラゴ』でお金持ちになり、自身の屋敷の椅子にふんぞり返っていた龍水がガタリと立ち上がる。突如としてガチ惚れしている歌手の女性のプレミアライブ情報が舞い降りたのだ。無理もない。情報源であり、特定ターゲットをぶち抜きに来た千空とゲンがにこやかにしている。

「おー、奇遇だなー!?お前の大好きな蒼音がたったひとりの為に歌うんだってなー!旧世界ですら無かった試みだな~!?」

「俺らもねー、わたあめとかラーメンとか、科学グッズ売ってるでしょ?そっちと比べちゃうとAonnちゃんは世界的歌手だからね~。桁違いですっごい高いからそうそう売れないだろうけどー……。って龍水ちゃん?身体すんごい震えてない!?」

千空とゲンが購買心を煽る中、龍水が身体をふるふるさせて――クワッ!!!!と目を見開いて叫んだ。

「欲しい!!!!」

バッシィイイン!!!と右手を打ち鳴らす。

「おい龍水。知ってたが軍師サマに惚れ過ぎだろテメー、声デケーぞ」
「俺今耳がキーーンてしちゃったよ。ちょーーっと怖いね、ジーマーで……」
もはや金ヅル扱いしに来た二人の方が引くほどのクソデカドイヒーな声量である。

「幾らだ、千空!?」
「チケット一枚で一曲だ。値段は《ピーーーーー》ドラゴで追加オプションも色々あってだなー」

「はっはーーーー!纏めて全部買おう!!!!」
バッシィィイン!!とめちゃくちゃ嬉しそうに指鳴らしした。追加オプションの中身ぐらい聞けよ、と千空が引いている。

「えーっとね~。実はゴイスーな【隠し】追加オプションもあるんだよねえ~!」
「なっ!解放条件は!?!」
ガシイッ!!と力強くゲンの両肩を握る龍水。龍水ちゃん待って待って肩が潰れる!!とゲンが抗議する間に、千空が補足した。
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