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二人の航海者

第10章 二人の航海者


「うん……!龍水、お帰り……!!」
蒼音が龍水にぎゅっと抱き着いた。それを抱きとめて、しばらく抱擁するが。

「よし!善は急げだ、フランソワッ!!」
バッシィィイン!!と龍水が派手に指鳴らしすると、フランソワが現れた。
「え?え??」
「後で会おう!!蒼音!!」
「蒼音様、失礼致します」
あまりのハイスピード展開に訳が分からないまま……気が付けばペルセウスの上に連れて来られていた。

蒼音の服装はレースやヴェールまである本格的な作り込みの純白ウェディングドレス。髪の毛はフランソワが後ろで編み込みとお団子状にして纏めた。

「これは、いつの間に作ったんだ?」
「凱旋航海する前だ!!」
船の上で招待客がワイワイと二人を見守る。まさかの船上結婚式。もう少し心の準備というか、余韻に浸りたいのだが…?しかも結婚式の流れもガン無視である。そこまで結婚式の知識は無いが、普通は新婦が後で入場とか無かったか?教会っぽい長椅子のゲスト席こそあるが、皆喜びの声を出しまくりお祭り騒ぎになっている。

「あ、千空君。このハイスピード結婚式、何かあるんだろう、理由が?」
「おー、流石軍師サマ。いや新婦サマか。理解が早くておありがてえ。俺らは月に行く!!」
「は??」
蒼音ですらポカーンとなり。「だよねー普通そうなるよねー!」と事の経緯をゲンが語り、次の航海が直ぐだからね、と納得した。

「このドレス、誰が作ったの?私のサイズ把握して作らないといけないけど」
「サイズは私の方で僭越ながら把握し、杠様にお作りして貰いました」
フランソワ、流石の仕事ぶりである。

「そっか。ありがとう、杠ちゃん」
「ワオ!いえいえ!蒼音ちゃんにも龍水君にも、パーティーの時凄くお世話になったし」
お礼と言われて素直に受け取った。そこまでは蒼音もまだ分かるが。
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