• テキストサイズ

二人の航海者

第10章 二人の航海者


******
「はっはーーー!!ペルセウス、勝利の凱旋航海だ!そして蒼音との結婚式の準備をするぞ!?蒼音は!!俺の!嫁だッ!!!!」
龍水が高らかに宣言し、バッシ!バッシィィイン!!と指鳴らししまくった。明らかに勝利の凱旋より後者の方が彼の中で優先順位が高い。高すぎる。

「おい、龍水。テンション爆上げ過ぎだろテメー……さっきからうるせーぞ」
「まあまあ千空ちゃん。気持ちは分かるし〜。蒼音ちゃんの策謀とスイカちゃんのお陰で俺らすんごい助かっちゃったし。飛び切り良い結婚式、挙げたいんでしょ」

まーそうだな、と千空も納得する。が、指鳴らしが止まらない。スイカが『手を痛めたら蒼音が泣いちゃうんだよー!』と言って【パワーワード蒼音】で収めた。最早無意識に蒼音のチカラを使いこなしている。純粋無垢な子供は、意外とこんな風に物事の本質を本能で見抜けるものだ。

「龍水様。左手をお貸しください」
「ん、なんだフランソワ」
とりあえず左手を出す龍水。フランソワがジャッ!!とサイズ違いの指輪が複数付いた物を取り出す。

「この様な流れもあろうかと。リングゲージをカセキ様に作成してもらいました」
「やるなフランソワ!?結婚指輪は確かに必須だ、これは絶対に欲しい!!!」
龍水が自身の指を入れて、ピッタリ合う指輪のサイズを測る。

「オホー!!そういう使い道だったのねコレ。ってか主ら、結婚に指輪って必要?」
よく分からず作らされたカセキの疑問は尤もだ。石神村に結婚指輪までは伝わってない。技術的な面もあるが。指輪のサイズを測り終えた龍水が叫ぶ。

「はっはーーー!!終わったぞ!?これで……って待てフランソワ!!蒼音のサイズは」
「出航前に蒼音様より『どうせ指輪とか言い出すから』と申し出て頂きました故、把握済みです」

「な、なんだと…!!蒼音が自ら……!?そんなに俺と結婚したいのか!?よし、デザインも考え」
「そちらのデザイン案も、『どうせ龍水の事だ、デザインで派手な奴と私の好みで一悶着するから折衷案を複数描いた』と蒼音様から直々に頂きました」
ぺラッ、と紙を数枚出すフランソワ。
/ 117ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp