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月が欠けた日から…

第8章 教育の違い


「烏間。お前が育てたイチオシの生徒をひとり選べ。1度でもナイフを当てられたのならお前の教育が正しかったと認めて俺は出ていってやる。だが、使うナイフはこっちじゃない。本物だ。」

そう言われた瞬間、みんなはぎょっとしていたが、私は顔が暑くなるように、本物のナイフを手に取りたいと思った。殺しなら、親から教わっている。

「よせ!人間を殺す訓練もしていない!」

「大丈夫だ、寸止めでも当たったことにしてやる。」

ひとり選ばなければ無条件で降伏。極道様がでてやるよ。

「おい、クソ教師、桜ノ宮様が相手だよ。他にやらすんじゃねぇ。それとも怖いからビビるのかぁ?ナイフならこっちも使ってんだよ!なんならクスリ、動物、人間、全部を支配してる桜ノ宮を舐めんじゃねぇよ!」

みんなはギョッとして私を見ている。当たり前だ。今の私は……化け物だ。

「藍奈!辞めておけ!」

「いいだろう、藍奈。そして烏間が一人選べ。それで成立だ。この俺に桜ノ宮のお嬢様でも勝てるわけねぇだろ。その体で?その顔で。綺麗な顔が台無しだなぁ?」

烏間先生は迷った顔をしながらなぎさっちを選んだ。この2人なら、やれる。確実に。私となぎさっちでナイフを渡され、そしてついに私の護身用黙す時が来た。
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