第7章 梅雨明けは球技大会
E組も本校舎組も近くにいた男子の目もお構い無しにカルマくんの元へ駆け寄った。
「カルマっ!」
私は思いっきりカルマに抱きついた。
「わっ!…。勝ったからずっと俺のもん、ね?」
「うんっ!だいすきっ!何があっても離れないって決めたもん!」
私は泣きながらカルマくんの腕の中に居た。
「俺らはカルマとのヒーローって訳だ!」
「うん!ほんとにありがとーっ!」
私は他の人の目を気にせず、ずっとくっついていた。
「ただでさえ暑いのにもっと暑苦しいよなぁ。」
「見てらんねぇや。カルマにはかなわないってことよ!」
「俺らは先に行ってようぜ!」
男子たちは気を使ってくれたのかグラウンドから退散してくれた。横をちらっと見ると杉野くんと進藤くんが話していた。
「カルマ、ちょっと行ってきていい?」
「いいよ。待ってる。」
私はカルマの承諾を得て、進藤くんの元へ向かった。
「進藤くん、約束守ってくれるよね。」
そういうと、杉野くんは話が終わったのかさっさと帰っていった。
「はぁぁ。まさかE組に負けるとはな。藍奈が赤羽のこと好きなのはよく伝わったよ。あんなのを見せられちゃな。」
進藤くんは呆れたかのように苦笑いをしていた。
「当たり前でしょ?E組は強くて、カルマはうちのもの。ほんとにあんたはクズね。今度は期末で見返してやるわよ。」
笑顔でそう言うと進藤くんも笑顔で返してくれた。
「わかってらい。だが、成績もトップじゃ俺は藍奈の足元にも及ばないか…。」
そう言って進藤くんを立たせ、またねと言ってカルマの元へ走り去った。