第7章 梅雨明けは球技大会
3回表は点数無し。最後の野球部の攻撃だ。お願い、守って!出てきたのは進藤くん、だった。かなり勝つ気満々のようだ。
「ねぇ、あれ、カルマくん達あの守備大丈夫なのかな?」
「まぁ、さっきの野球部の守備もあれだったし理事長は勝手にしなさいらしいからいいんじゃないかな?」
カルマたちの守備位置は常識外れた所まではずれ、バッターの近くまで接近していた。
「カルマ、進藤くんと何話してんだろ…。」
「ん?どこどこ?」
私は陽菜乃とりおと楓に場所を指さして教えた。明らかに2人で喋っている。何事もなければいいけど…。その瞬間だった。進藤くんは打ったはいいがボールはゴロ。
「なぎさくん!」
「3塁!!!」
「木村ー!次一塁!ランナー走ってないから焦んなくていいぞ!」
「りょーかいっ!」
杉野くんの指示でテンポのいいボール運びをして、3回裏終了。
3対2。E組の勝利で幕を閉じた。
本校舎組のみんながぞろぞろと帰ろうとする中、私は泣きながら思い切って走り、カルマの元へと走っていった。