第4章 修学旅行は山あり谷あり
「お前は後で始末してやる。今はこっちの女だ。おい、お前さー?去年の夏、東京のゲーセンにいただろ?めぼしい女がいたら拉致っとけって言ってたんだが見失っちまってよぉ。まさか名門中の生徒だとはねぇ」
そう言ってこいつらは少し離れたところに退散したが私はそうはいかない。そう思った時だった。
「さっきの神崎さん、あーいう時期もあったんだね?ちょっと意外。」
「あー、それはうちも思った。」
「……。うちの父がね、厳しくて肩書きとかそういうのでよく言われてたんだけど、そういうのが嫌で名門の制服とか脱ぎたくてね…。」
神崎ちゃんはいまはおとなしくていい子。そんな子にまた教え直すとかなんだコイツら。頭おかしい。そう思って私はやっとあれを出した。
「はぁ?お前らの言ってることおかしいって分かってねぇならこっちが教えてやんよ。うちが誰だかまだ分かってねぇようだな。うちは、桜ノ宮学園理事長の娘だ。わかるか?藍奈、隠名、桜ノ宮様だ。極道様だよ。」
私はそう言って縄を解きカッターナイフを持っておそいかかった。
「ひいっ!?リーダー!こいつ桜ノ宮っすよ!無闇にやったら…!?」
私は黙らせるために片っ端から投げ倒して言った。残ったのはリーダーと呼ばれるこの男1人だった。