第31章 卒業式~また君に会える日まで~
「私もなぎさと一緒にやる。」
そう言って殺せんせーの上に乗っかった。殺せんせーはどこか満足したような顔のままだった。私となぎさで顔を見合せ頷き私は生きを飲み、震える手で渚の持つナイフへと私も触れた。
「渚くん、ネクタイの上からでも刺せますよ。貰ったその日に穴を開けてしまったので、そのままにしておきました。これも大事な縁ですから。さてその前に先生方に挨拶しておかなくては。」
殺せんせーは遠くから見守っているイリーナ先生と烏間先生を見ていた。
「イリーナ先生、参加しなくていいんですか?賞金獲得のチャンスなのに。」
「…。私はもう充分貰ったわ。ガキ共からもあんたからも。たくさんの絆と経験を。この暗殺はあんたとガキ共の絆だわ。」
イリーナ先生はそう言って参加の意は示さなかった。
「そして、烏間先生。あなたこそが生徒たちをこんなに成長させてくれた。これからも彼らの相談に乗ってあげてください。」
「あぁ、お前にはさんざん苦労させられたがこの1年は一生忘れることは無い。さよならた、殺せんせー。」
烏間先生もそれだけを言うと殺せんせーはそれでも満足そうに頷いていた。私はただ泣きそうなのをこらえることしかできなかった。