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月が欠けた日から…

第31章 卒業式~また君に会える日まで~


「さて、そろそろですね。一人一人にお別れの言葉を言っていたら24時間あっても足りません。長い会話は不要です。そのかわり、最後に出欠を取ります。一人一人先生の目を見て大きな声で返事をしてください。」

殺せんせーはいつもの朝と変わらない出欠を取ろうとしていた。変わらない、いつもの暗殺教室の朝に。

「全員が返事を終えたら殺してよし。ま、まさか早退した人はいませんよね!?このタイミングて返事無かったら先生自殺しますからね!?」

「「早く呼べ!」」

「なんなら自殺してくれた方が早いわい!」

この感じもいつものような変わらない日常のひとつ、だったはずのものが刻一刻となくなろうとしていくのに私は過去を遡りたくなるほどだった。

「ふぅ。では…。藍奈さん。」

「はい…っ。」

私は溢れてきた涙が止まらないまま返事をした。

「赤羽業くん。」

「磯貝悠馬くん。」

「岡島大河くん。」

「岡野ひなたさん。」

私の脳裏で思い出がどんどん溢れてくる。初めて殺せんせーに出会った日。

「奥田愛美さん。」

「片岡メグさん。」

「茅野カエデさん。」

「神崎有希子さん。」

殺せんせーと挑んだ初戦の中間テスト。カッコつけてぼろが出まくる殺せんせー。

「木村正義(ジャスティス)くん。」

「倉橋陽菜乃さん。」

「潮田渚くん。」

殺せんせーと歩んできたいつもの授業時間も授業風景も思い出が溢れてきて。思い出す度に私は殺せんせーの顔を見れずに思い出と一緒に涙も溢れ出して止まらなかった。
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