第30章 殺せんせーの最後の生徒
「えっ、なにこれ…」
「茅野さんの血液や体細胞です。地面に落ちる前に全て拾い、圧縮空気で作った無筋膜に保管しておきました。」
「いや、よくできるな…」
突っ込みたくないけど何故か突っ込んでしまった。
「君たちを守るための触手だけは戦いに使わずに温存していましたから。今から一つ一つ全ての細胞を繋げます。」
な、なんだかすごいことやってるな、なんて考えていた時だった。
「血液も少々足りません。AB型の人、協力を!」
私のところにも触手が伸びてきた。同じ血液型といえどひとつ懸念点があった。
「ちょっと待って、殺せんせー。わたしマイナス型の珍しい方だけど大丈夫なの?」
「おっと、これは危ない。マイナス型の人はプラスの人に輸血してしまうと異物混入とみなされて抗原体が作り出されないのでダメなんです。にしてもマイナス型とは珍しいですね。」
なるはど、と私は納得し私は輸血を手伝うことは出来なかった。と、その時だった。
「中村さん!さっきのバースデーケーキを持ってきて!そして先生の口に!」
「はぁ!?土まみれのぐっちゃぐちゃな生ゴミだけど…」
「エネルギーの補充が必要なんです!戦闘中もずっと食べたかったし!あーもう、30分ルールです!」
「3秒でしょ!」
同じことを私たちみんなそう思った。