第30章 殺せんせーの最後の生徒
「殺せんせー…!」
「ターゲットと生徒がいればこうなるのは当然の結果だ。不正解だったんだよ。今夜ここに入ってきたお前たちの選択はなぁ。」
「そんなことっ…!」
私はシロに反発の意を示そうとした時だった。
「やめろ、柳沢!これ以上生徒を巻き添えにするな!」
烏間先生がシロに銃を突きつけてそう言った。その瞬間だった。いつの間にか烏間先生は投げ倒されていた。
「黙って見ていろ、国家の犬。お前たちはもう俺にすら勝てはしない。どんな気分だ?大好きな先生の足でまといになって絶望する生徒を見るのは!わかったか?お前の最大の弱点はな…」
私もずっと気づいているようで気づいていなかった。もしかして、とは思っていた。だけどやっぱりそこで確信したんだ、殺せんせーの最大の弱点は━━━━━私たち、生徒。
「んなわけないでしょぉー!正解か不正解かなど問題じゃない!彼らは命懸けで私を救おうとし、障害を乗越えてここに会いに来てくれた!その過程が!その心が!教師にとって最も嬉しい贈り物だ!弱点でも足手まといでもない!生徒です!全員が、私の誇れる生徒です!」
私は殺せんせーのそこまでの思いを聞いて少し泣きそうになった。そこまで、私たちのこと見てくれてたんだ…。