第29章 残された時間と誕生日
「殺せんせー、結局先生だよな…。このタコやっぱりちょっといいとこ持ってこうとしてない?」
私は先生の話を真に受けながらもやっぱりちゃんと突っ込みたいところはつっこんだ。
「たしかに、そんな気するわ。」
「ほんと、こんな時も授業かよ。」
「ヌルフフフフ、こんな時だからこそできる授業です!教師たるもの、教育のチャンスは逃しませんよー?でもね、君たちが本気で先生を救おうとしてくれたことずっと涙をこらえていたほど嬉しかった。本当ですよ」
そう言って私たちの頭の上には触手が置かれていた。そしてサッと離れていった。
「殺せんせー、私から1個だけ。」
私はそういうとみんなの注目が自分になった。
「どうしました?藍奈さん。」
「今回の件、私の親の会社が防衛省に1時買収されて、裏で流動する怪しいお金があったことを知っていながらも先生に言えなかったこと、遅くなってしまったことほんとうに悔やんでる。ほんとにごめんなさい…」
私はそう言って頭を下げると殺せんせーの触手が頭の上に乗っかった。
「頭をあげてください、藍奈さん。きみのせいじゃない。何も出来ない自分のことを責めないでください。知っていながら動けなかったのはそれほどのおおきな社会の流れだったからです。その事で先生は怒ることはしない。むしろ、その家柄を誇るべきです。」
私は殺せんせーにそう言われそこで泣かされた。