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月が欠けた日から…

第29章 残された時間と誕生日


「私の存在が世間に知られてしまった今、もう発射は止められないでしょう。」

「…殺せんせーはわかってたの?こうなることが…」

「仮に先生が爆発せずともこれだけの怪物を世界各国が恐れないはずはありません。どの道息の根を停めてしまいたい、そう思うのが妥当でしょうね。」

私たちはそれを聞いてなんとも言えない無力感に襲われた。

「もっと早くてを打てば方法があったかもしれないのに…。バリアの発生装置を壊すなり、テレビやネットに出まくって訴えたり!」

「そんなことをすれば君たちはもっと危険視され厳重な監視下に置かれたかもしれない。発生装置の防備もまた鉄壁です。先生からの透析なども備え大空兵器まで備えてある。君たちと能力の装備では途中で捕まってしまったでしょう。それほどまでにこの計画は完璧でした!技術と時間と人員が推しでもなく注ぎ込まれていた。世界中の叡智と努力の結晶の暗殺が先生の能力を上回ったことに敬意を感じそのターゲットであったことに栄誉すら感じます」

殺せんせーはそういった。だけど私たちが1番心に残っているものは…。そう考えたとき桃花が思ったことを言ってくれた。

「でも、じゃあ私たちが頑張ってきたことは無駄だったの?」

「無駄なことなどあるものですか、矢田さん。君たちは先生の爆発の確率が1%以下であると宇宙へ行ってまで突き止めてくれた。おかげで暗く沈んでいたE組に明るさが戻り、そこからの1ヶ月は短かったけど楽しかった。その過程が、心が大事なのです。習った過程を尽くして君たちは逢いに来てくれた。先生としてこれ以上の幸福はありません。」

殺せんせーはそうはいってくれてもやっぱりまだ助かる方法を考えたかったのが私の本心だった。
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